10年以上遠征してるくせに、ポンコツすぎた話
自粛期間で遠出もできない、近場で遊ぶこともままならないとなると、過去の思い出に浸るしかない。思い返しただけでも文字数が多くなるんだからどうしようもない。
2020.02.23~24、LDH PERFECT YEAR 2020 SPECIAL SHOWCASE RYUJI IMAICHI / HIROOMI TOSAKA に参戦したときのこと。
2020年は長いタイトルのツアーばっかりだなって、このときは呑気に文句言ってた。
タッチの差で2日後に公演中止になったから、間一髪感のある遠征だったし、まずマスクしたまま参戦するってのが初めてだった。
まさかこれ以降全部中止延期になるなんてこの時は思ってもみなかったね。
この遠征での私は、今までのどの現場よりポンコツだった。
まず、ライフワークにしようとしていたフィットボクシング(任天堂switch)で
前日も汗を流していたところ、新しく出た動きによって背中と腰を痛めて朝から満身創痍。スーツケース持って階段降りたとき、正直涙出た。
コロナも怖ければ生粋の花粉症も鼻をくすぐる。ムズムズしすぎて涙も出てくる。
アイメイクを直したくて、ホテルにチェックインする前に荷物だけ預けるタイミングでスーツケースを開ける。
・・・化粧ポーチがない。
必死に記憶を手繰り寄せる。化粧ポーチをスーツケースの横に置いたところまでの記憶が甦る。あぁ、忘れてる。2泊3日だってのによォ、、、
ポーチ出す間にトイレ行ってくるわってトイレへ行った親友に、トイレから出た瞬間「化粧ポーチ、忘れたや・・・」って言った時の親友の顔が忘れられない。
ガチャから日用品まで、常々予備芸人と呼ばれるほどのストックを誇る私は、このライブに備えて無くなりかけのコスメは全部新しく新調、今朝の化粧を済ましてポーチに入れていた。
開封した以上無駄に買いたくない。そうだ、気になってたパウダーファンデがあったのよ!田中みな実のやつ!!なんて必死に買う理由探して、ファンデと生命線のコンシーラーだけ買って、あとは親友に借りることに。
本当は背中と腰が断末魔あげてて、「後生だ、これじゃワシ沸けねえよ・・腰に巻くサポーター買いに行かせてくれ・・」って新幹線の中では言ってたのに、限りある軍資金から化粧品もサポーターも買うなんて贅沢出来なかったから、顔面を優先したよね、、顔下半分マスクなのにサ・・・
この買い物のためにかなり時間取ってしまって申し訳なさ過ぎた。
あんまり忘れ物のない人生送ってきたけど、過去に双眼鏡忘れて博多駅近くの電気屋でガチ双眼鏡買ったとき以来のヘマ。
今回は前日親友から、「双眼鏡入れた?」ってLINE来たから万事完璧だと過信してた・・・
これは翌日談になるけど、私と親友系統が違うからアイシャドウひとつで結構大冒険だった。ワタシ眼病持ってなくて良かったと心の底から思った。
この遠征だけで、他にも笑える出来事はあった。
1日目の登坂ターン中、ライブも後半といったタイミングで
親友「うちはHEYとDiamondSunsetくるの待っとるけー」って言うもんだから
私はセトリも見てないのに、そんな気がするだけで「HEYはないよ」なんて言ってたら
数曲後、HEYからのDiamondSunset 怒涛の攻めに会場のボルテージも我々の笑いも止まらなかった。
HEYきたときは興奮と小笑いだけで済んだけど、間髪入れずDiamondSunsetだもん。爆笑するの耐えられなかった。
ところ変わってライブ終演後、ホテル近くで夜ご飯食べる場所探してたら、ゴリゴリの外人に道を聞かれる。私、英語ひとつも喋れないのによくこうゆう目に遭う。
とにかく道聞かれてるのだけはわかったから、
私「ドコイキタァイ?」 (もはやカタコト日本語で乗り切ろうとする)
ゴリゴリ外人「・・・?・・・!!ナンバ!」聞いた相手の英語力のなさを瞬時に感じ取って必死に理解してくれた。
まずは信号渡る必要があったから、急いで行くよって言いたいのに単語が出てこない
青信号の歩道指さして小走りで出た言葉が、「GoGoォ~!」郷ひろみが脳内に現れた。
さすがにゴリゴリ外人も笑ってたし、その後ろで親友が爆笑してるのが見えた。親友はうちより英語力があるのに助けてくれない。
地下鉄に誘導するつもりだったけど、そこまでの道にとっくに最終が出たバス停があるから、それ見てゴリゴリ外人が慌てだす。
言ってることはわかんないけど、わかるよ。
そのバス停の時間が終わってるから焦ったんだね。大丈夫、そのバス終わってるの知ってるから地下鉄に案内するつもりだよ。安心して欲しいのに伝えられない。
ノンノンノーンしか言えない。地下鉄ってなんて言うんだっけ?って親友に聞いたら、SUBWAYじゃない?って言われて、いやいやそれサンドイッチやんけなんてお手本みたいなこと言っちゃう自分が後から思い返せば返すほど滑稽。
翌朝、思い出したかのように親友がスマホで検索して「やっぱり地下鉄はSUBWAYだった」って言ってきたのが時間差攻撃すぎて笑った。
私「ヒゴバシィステーショ~ン」やっと地下鉄について、割とドヤ顔で言った。
このまま降りて、駅員に聞きなっていいたかったけど、そんなの言えるわけないよね。
案内し終わって、ゴリゴリ外人が「サンキュー、アリガトウゴザイマシタ」って手を合わせながら日本式感謝。
私も同じポーズで「ゆあうぇるかむ。」これくらいは流暢に言える義務教育受けてるのに、ひらがな発音。
ゴリゴリ外人「Bye!」
本物のオシャレByeに興奮したあまり、「「バーァーイ」」って親友と揃いも揃ってひと昔前のギャルみたいな発声で同時に言っちゃって、あまりにも頭の悪いバーイに言った当人たちが膝から崩れ落ちるほど爆笑する。
昔から洋楽も好きで聴いてる、海外ドラマも見るし、ヴィクシーモデルも大好き。ただただ英語がわからない。
遡ること小学生時代から外人にはやたらと話しかけられるけど、喋れないからどうか話しかけないでほしい。断れないから。喋れないのに全力尽くして助けちゃうから。
そんな外人道案内を終えて、居酒屋で晩御飯。
晩御飯も食べ終わって出口の押しボタン式の自動ドア開けたら、WHITE BREATH(T.M.Revolution)のMV並の突風に襲われる。思わずHOWEVER(GLAY)のTERUみたいに仰け反った。この身一つに懐かしの名曲が渋滞してる。腰がひどく痛んだ。
後ろをついてきてた親友が突風に襲われる私を見て瞬時にドツボに入って出口を出た踊り場で歩けなくなるほど笑う。風が縦にふいてたとか、髪がビャッてなったとか、色々言ってたけど笑いすぎて失念。
少しして落ち着いた親友は、「ライブで声枯れんかったのに庄や(居酒屋)で声枯れた」という迷言を生み出す。
今思えば、ドアを開ける寸前にバイトのお姉さん言われた「ありがとうございました〜、お気をつけて〜」がフラグでしかなかったってわけ。
ちなみに翌日も同じ居酒屋行って同じ事件に見舞われる。
2度目はもうこちらもドア狙ってた。昨日のは偶然だったんじゃないかって期待してた。
全然期待外れ。突風は変わらず私の体を仰け反らせた。
親友と遠征をはじめてかれこれ12年が経つ。今までライブだけじゃなく、ライブへ行った先で観光地をまわったり思い出を沢山作ってきた。
だけど、こんなに自分のポンコツっぷりを露呈したことはない。
これが、老いというものなのか。
今はただ、コロナが終息して現場へ行けるようになって、親友から「双眼鏡と化粧ポーチ入れた?」ってLINEが来る日を楽しみにしてる。