ちょっとした余生

20代を全力疾走したせいで 今はちょっとした余生のよう

彼氏がいることを知った父

yose1-yolo.hatenablog.com

 

この出来事があった晩、私は不在だったため立ち会ってはいないが

仕事から帰ってきた父に、母が私の彼氏が設置を手伝いにきてくれたと言ったらしい。

 

私が22時頃帰宅した際、父から「オォウ?!何時だと思っとんヤ?!」なんて妙なテンションで声を掛けられて私はすべてを察した。

トイレに目覚めた父と深夜帰宅した私が遭遇しても、明らかな朝帰りをしても何も言ってこなかった父に、今更22時に帰宅したところで何かを言われる筋合いはないからだ。

むしろ早いと思うし、アラサーが22時に帰宅しただけで今更何を。

 

前々から、私の親友の結婚が決まったとか、2人目が生まれるらしいだとか幸せな類の話を母が父にするたびに

父が、「娘は可哀想に、あんな性格だから彼氏も出来ん」「理路整然と怒ってくるから俺は何も言えない、きっとどの男にもああなんだ。だから彼氏も出来ない」「彼氏が出来たら彼氏には感謝の気持ちがあふれ出てしまいそう」などと常々言っていると聞いていたため、なんて失礼な言われようだと思っていた。

彼氏がいなかったわけではないし、なぜいないと思っているのかさっぱりわからなかった。

逆にそんな相手がいなかったとして、頻繁に深夜や朝方に帰る私が一体何をしていると思っているのかも気になるところ。

 

母から聞いた話よると、彼氏が手伝いにきたというワードを聞いた瞬間

「ほんまか!」と満面の笑みだったそうだ。感謝の気持ちがあふれ出そうという言葉もあながち間違ってはない反応だったらしい。マジかよ・・・

テレビを購入したその日に、手伝いに来てもらおうかと母に相談した場面にも同席していたはずだが、その時ですら全く彼氏の可能性を考えていなかったらしい。

 

よく聞く、父親が彼氏の存在に不機嫌になるということもなく、100%嬉しそうな反応に複雑な思いを抱くも、まぁ反対されても鬱陶しいなと思ったのだった。

 

 

実際に会ってみた母は、優しい人だと思ったなんて月並みなことを言っていた。

彼女の親が目の前にいて彼女に優しくしない男が世の中にいるのだろうか。私より数十年長く生きている母がそう言うんだからきっといるのだろう。

 

それに余談だが私は常々家族から魔王と呼ばれている。

母には事あるごとにえらいもん産み落としたと言わんばかりの嘆かれ方をされ、弟は歴代の彼女を家に招く際に「うちのトップは親ではなく姉ちゃんだから、とにかく姉ちゃんにだけはちゃんと挨拶してくれ」と頼み込んでいたということを弟が結婚した後に伝えられたくらいだ。

トップである自覚もなければ、弟に挨拶の大切さを説いたことなんて一度もないのに。どうりで毎回彼女がうちの部屋ノックして挨拶してくると思ったよ。

 

私が思うに、そんなお姉ちゃんの彼氏ってだけで、優しい人レベルが5割増しくらいになっているんじゃないだろうか。そりゃ父も感謝したくなるだろう。役得がすぎる。

 

実際彼は優しいし、学習能力が非常に高く私が一度怒ったことは二度とやらない。

こちらがぐぬぬ・・・と言いたくなるほど怒るポイントをうまく回避して、めっきり怒ることがなくなった。

以前は、瞬間湯沸かし器のような怒りっぽさと、一度怒ったら必ず完全論破しないと気が済まないという妙な信念を持っていた私がこんなに穏やかに過ごせているのは間違いなく彼のおかげだと思う。

 

ただ仕事や家では容赦なく瞬間で湯を沸かしている。

今は低血圧人間だけど、いずれ高血圧で死ぬのかもしれない。

 

 

今回、長らく娘の彼氏の存在を黙っておくことに耐えかねていた母が一番ホッとしたことだろう。

別に黙っていてくれと母に重荷を背負わせるようなことは頼んでいないのに。

色々聞かれるのが面倒だといって黙っていた母がスッキリできたのなら、結果良かったと言える。