ちょっとした余生

20代を全力疾走したせいで 今はちょっとした余生のよう

母、55インチのテレビを買う

 

まず言いたいのは、我が家のリビングは狭い。

全ての部屋が6畳で構成されていて、ダイニングキッチンにテーブルがあるもののそこでご飯を食べた記憶は無い。

サザエさんよろしく6畳のリビングにちゃぶ台的な机を置いて、そこで晩御飯を食べている。

 

そんな狭いリビングになぜ55インチのテレビがやってくることになったのか。

 

リビングには元々、地デジ化が騒がれ始めた時に父が勝手に購入した32型のAQUOSが鎮座していた。これも一悶着あったが割愛。

それが去年の暮れから、下のほうに突如液晶の液漏れのような跡が出てきて

それは時間が経つにつれて横線となって広がっていった。

 

わたし的には線があること以外異常がないので特に気にならない問題だったが、韓国ドラマを録り溜めしては夜な夜な見ている母には、物語の生命線である字幕が全く読めず難儀していたらしい。

もう長いこと韓国ドラマを見てるんだから、そろそろリスニングはもちろん喋り出しそうなものだがそうでもないらしい。

 

そして1番の購入理由となったのは、テレビのことはよくわからんけど大きくて新しいのが欲しい!YouTube見れるテレビがあるんだって!見たい!という小学生みたいな思考をもった父が騒ぎ始めたことだった。

 

最初は55インチって大きくない?45インチとか50インチにしたら?とか

YouTube見れるやつがもうちょっと安くなるの待とうだとか言ってた母が

そんなに大きくないよ見たことあるもん等々適当なことばかり言ってどうにか買わせたい父に苛立って、この55インチのテレビを買う!これを買う手続きしてちょうだい!とiPhone片手に私の部屋に殴り込んできた。

たまに出る、恋愛映画を見漁ってニタニタしたい発作真っ只中にあった私のNetflixタイムが突如奪われてしまった。

 

iPhoneに表示されていたのは4K画質にYouTubeNetflixがボタンひとつで見れる高性能なテレビだった。

でも値段重視で選んだために、下取りもなければ取り付けサービスもない。

最初は反対した私に従ってリビングに戻って父に反対されたことをそのまま説明したものの、てんで話にならずまた怒って戻ってくる始末。

これはもうひと肌脱ぐしかない、リサイクルの手配も取り付けもやるから鎮まりたまえと購入ボタンを押すことになってしまった。

 

ことの顛末を彼氏に話したところ、手伝いに行こうか?と言われ

確かに55インチを1人で設置は難しいよなぁ・・・と思いお願いすることに。

まさかのテレビとご挨拶イベントが同時にやってくることになってしまった。

 

ちなみに付き合いはじめてそれなりの年月が経つが、彼氏の存在は家族の中で母にしか言っていない。

厳格な父親像とはかけ離れたちゃらんぽらんな父だが、それが逆に鬱陶しさに拍車をかけそうで言いたくないのだ。(遅れてきた反抗期)

 

そして私は部屋が片付けられない病気でもあるから、今まで家に招く必要もなかった。

もう私の中ではテレビの設置なんてどうでもよかった、彼氏が家に来る、これは大変なイベントになってしまったと思っていた。

 

しかし幸運なことに、搬入の日は父が仕事で母しか家にいないことがわかって

大変なイベントから、ちょっと恥ずかしいイベントにランクダウンした。

 

部屋は絶対に見せないよ、汚いからねと言いつつ

万が一に備えて搬入前日にゴミ袋を出して部屋を片付け始めたところ、部屋の雰囲気は一切変わっていないのにゴミ袋が1つ一杯になったところですべて諦めた。

それと同時に、これ引っ越すときどうなるの・・・まぁその時考えよっか・・・なんて思いながらいそいそと寝床へもぐりこんだ。